旧日生ビル跡地のマンション建設、工期延長の可能性

 旧日本生命南麻布ビル跡地(南麻布2-8-12)は、積水ハウスが建築主になって、マンションの建設工事が行われています。昨年末から、いったん工事が止まり、最近また始まっています。

 施工者である鴻池組東京本店は5月7日、南麻布新堀町会に対し、この間の経緯を説明し、杭の工事の工事をめぐり、管理値を超える不具合があるため、原因を調査していることを明らかにしました。


 鴻池組は2024年秋にも、調査工事の結果を踏まえ、対処方法を固める予定です。この際、工期と工程の延長について、改めて周知したいとしました。建設工事は、2022年末に始まり、2026年7月末に竣工する予定でした。

 イトーピア麻布の東側の地盤沈下については、今回の不具合の調査結果を踏まえて、対処方法を示す考えです。

 杭は建設物を支える部材です。今回のマンション工事では、37本の杭を設置します。これは、設計図にも明記されており、建築確認の際の重要な情報となります。

 鴻池組によると、不具合が見つかったのは、2023年10月ごろ。麻布通りに近い部分に、想定していた管理値を超えた杭3本が見つかりました。

 こうしたケースは珍しいことから、鴻池組は建築確認を行った確認検査機関などと、昨年末から相談し、数か月かけて原因調査のやり方などを検討したそうです。

 検討の結果、採用した調査方法は、①不具合があった杭の周辺の土を掘削し、杭の周りの状況を確認する②1本については、超高圧水をつかったコンクリート除去工事をおこなって、杭そのものの状況を確認する―といったものです。

 ②の超高圧水を使う工事は「ウォータージェット工法」と呼ばれ、ブレーカーを使ったコンクリート除去に比べると、低騒音・低振動とのこと。ただ、コンクリートに水があたる際に音がでるため、やはり騒音はあるようです。

 鴻池組によると、②の工事は5月半ばから7月半ばを予定。作業時間は8時半から17時とし、土曜日は行いません。ウォータージェット工法を行う場合は、電光掲示板でも告知します。

0416杭工事調査についてのお知らせ